ダンサーず解散危機!?
今日も暖かな日差しのさすポルカーナ、いつも通り平和な1日…かと思いきや、どうやら違うようだ。
小さな噴水のある公園で、ひろんちゅさんと楽々さんがいがみ合う。 その間でちぃちゃんがオロオロと涙目になりながら慌てふためいていた。
その様子を見かねたルリちゃんが、こそっとちぃちゃんに声をかける。
「…ねえ、2人はどうしたの?」
「あ、ルリちゃん…実は、新しいダンスの事で2人が喧嘩しちゃって…」
要約すると、新しいダンスを踊る事自体には3人とも大賛成だったのだが、振り付けの一部で齟齬が発生したらしく、ひろんちゅさんと楽々さんが喧嘩になってしまったのだという。
ふーむ…と声を漏らすと、ルリちゃんはポンと手を叩いた。
「なら仲直りさせればいいのね、任せて!」
「えっ、ルリちゃんが?本当に?やってくれるの?」
「もっちろん!」
ちょっと待っててね!
と声をかけ、どこかへと走っていったルリちゃんの背中を見送り、ちぃちゃんはついには顔も合わせなくなった2人を心配そうに見守るしかなかった。
…少しして、ルリちゃんが戻ってきた。傍らにはハルダンゲル君を引き連れている。
「おかえりなさいっ、と、ハルダンゲル君?」
「やっぱり、フルートだけじゃ味気ないからねー、バイオリンもあった方がいいと思って」
「話は大体聞かせてもらいました、仲直りさせればいいんですよね?」
ちぃちゃんがコクっと頷くと、2人はそれぞれフルートとバイオリンを手にした。
♪…♬*゜・。♪*+o♩♬*゜
フルートとバイオリンの二重奏、曲は最初に3人で踊った思い出の曲だった。 いがみ合っていた2人も、自然と体が動くらしく、そこにちぃちゃんも混ざった。
ステップ、ステップ、ターン、ステップ。
さり気なくメイ君もマジックで花びらを散らして華やかな演出をしてくれている。
曲が終わると、心地よい疲労感と汗、肩で息をする3人。
自然と3人は笑顔になっていた。
「…あのさ、楽々」
「なにヨ?」
「…ごめん」
「……ワタシこそ、ゴメンよ」
「…よ、よかったぁー!」
1番心配だったのはちぃちゃんだ。
思わず大泣きしてしまって、慌てた2人がちぃちゃんを慰める。
「ふふっ、これにて一件落着ね!」
「ですね、ルリちゃん」
「ハルダンゲル君もお手伝いありがとう」
「いえいえ、お役に立てて何よりです」
「僕も役に立てたかな?」
「メイ君もありがとう!」
「どういたしまして!」
…ここは平和なポルカーナ、喧嘩も時にはあるけれど、みんな仲良しな暖かい街。
公園ダンサーずが新しいダンスをお披露目するのは、また別のお話。